南青山のトータルビューティーヘアサロン (外苑前駅4A出口より徒歩4分)

COLUMN

2020年、始動

  2020年がスタートし、すでに2週間が過ぎようとしている。

 

  だが、私にとって新しい1年のスタートを感じるのは、母が営む実家の美容室の成人式を手伝い、東京に戻ってくるあたりからである。成人式を終えて地元での短い休息を経た後、羽田に降り立ち、レインボーブリッチを越えたあたりから露わになる高層ビル群を眺める時、東京に戻ってきたのを実感し、新たな1年のスタートを感じるのである。

 

  今年、2つの大きなプロジェクトを進行していく予定である。

 

  1つ目は、オリジナルヘアケア商品「u Shampoo&Treatment」のリニューアル。2014年に発売をスタートし、2016年に香料を中心としたリニューアルは行ったものの、製品の処方そのものをバージョンアップし、深化させていこうというのが今回のリニューアルの狙いである。すでに多くの方々にご愛顧いただき、定期購入をご契約いただいている方々も多いため、今回のリニューアルによって、場合によっては利用者の反発を招いてしまう恐れがあるかもしれない。だが、発売から5年が経過し、新規原料を含め、ヘアケアに関する状況は目粉しく変化している。開発担当として、現状に満足することなく、恐れず果敢にリニューアルへと挑戦していきたいと思っている。

 

  2つ目は、サロンメニューであるトリートメントのリニューアルである。4月よりカット料金&学割料金を見直し、値上げに踏み切る予定であるが、そのタイミングでトリートメントメニューを一部リニューアルし、新たな高価格&高品質トリートメントメニューを完成させたいと考えている。

 

  サロンメニューを新しくする時、一番難しいのはスタッフ間の認識をある程度統一し、サービスにムラが生じないようにすることである。少人数で経営しているお店であればオーナーの目が行き届き、一定のレベルを保つことが比較的容易である。逆に、スタッフ数が20名以上になるような大型店であれば、どうしてもマニュアル化してサービスを均一にする必要があり、その場合本当の意味でのお客様一人ひとりの状態にあわせたサービスの提供は困難となる。残念なのは、東京の有名サロンと呼ばれる大半のサロンは後者に属し、お客様一人ひとりの髪質にあった薬剤の選定や、オリジナルヘアケア技術の提供といった部分は、軽視されていると言っても過言ではないと感じている。

 

  KINDは、スタッフ数10~15名規模という中規模サロンといったところであり、その中間に属する位置付けであるが、スタッフ一人ひとりの技術と知識を向上し、ケアメニューが得意なサロンとして、より高次のモデルのヘアサロンのあるべき姿を提示したい。

 

  母の時代の美容師像は、「徒弟制度」や「丁稚」と言われるような「職人」「技術屋」としての美容師像であり、今でもそのような認識が現場に残っているというのが否定できない現実である。だが、現代の美容業にとって重要なのは知的基盤を整備し、より付加価値の高いサービスを創出することであると私は考えている。

 

  新たな1年の始まりに、覚悟を持って2つのプロジェクトに取り組んでいくことを肝に銘じておきたい。